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しない。
大都会の大規模施設は、「個」として存立し得るが、地方の殊に過疎地域の施設は、施設相互と住民と自治体の密接な関係の上に立つ「集団」でなくては、自らを支えきれない。
欧米のように美術館、博物館、動物園、ホールが町や村の誇りになるためには、日本の諸施設はタテヨコの連絡を十分にとりながら連帯して歩調をとる必要がある。
今回の調査は単位市町村に限られていたが、結果を表にまとめてみると、同一地域内では交通アクセスを利用したり、開催期日を揃えたりすることによって、二つ以上の町村が手を携えて行えば、さらなる地域活性化が望まれるであろうことを示唆している面もある。
注目したいのは和太鼓グループの活動である。必ずしも地域おこしの求心力となり、経済的発展にまでは結びつかない点はあるにしても、少くとも地域の高校生以上の若い人達が集り、公演によって地域に花を添える活躍にはなるようである。
作曲や振付に創造性もあり、男性女性ともに参加出来るし、さらに近隣町村への移動も比較的容易であるので好評を得ている。
すでに各県には50ないし80ぐらいのグループが結成されていると思われるが、太鼓を使用する他の伝承芸能が滅亡するため、どこの地方でも古くなった太鼓が倉や物置きに古くなって眠っているはずである。これらを提供してもらえば、一層盛んになり、若者の流出の歯止めに多少は役立つであろう。
ただし、未経験者でも和太鼓は2年もたつと基本がマスター出来たような錯覚に陥り勝ちで、メンバーが長続きしない欠点があるので、ここを乗り越える努力が必要である。
各地の和太鼓グループが2、3年で解散してしまう原因のほとんどはこの点にあり、基礎練習の大切さを、発足当初からリーダーがしっかりと叩き込んでおかなくてはならない。
また和太鼓グループの最大の悩みは練習場がないことで、場の提供について、地域の人々や自治体や文化施設と十分に話しあい、少しでも良い音で練習出来る計画を立てることが望ましい。太鼓フェスティバルで聞くと、不備な場所で練習しているために、悪い音で覚えてしまっているグループが大部分であることが、事実を証明している。良い音で太鼓を打つ機会を何らかの形で作れば、和太鼓による村や町の心づくりは、一層励ましを得て、地域の活性剤となる可能性を持っている。
青年団は過疎市町村ではほとんど消滅したが、30代40代がグループを作れる市町村では、地域に即した祭りやイベントを実行出来る地域がある。
この際にも成功例は、他の市町村からの移入ではなく、自分達の土地の歴史や現状の中から手掛りを見つけ出し、そこから発想している。住民の理解を比較的得易いし、一体感も萠え出るようである。
ただこの場合にも、準備には慎重に時間をかけて、生じるであろう問題を十分に討論し

 

 

 

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